2011年08月14日

【意見】台湾からの義援金とその背景

みなさまお元気ですか?
双葉浪江でございます。

先日私のもとに台湾の友人からカードが届きました。
カードには友人の娘さんが通っている学校の生徒さんからの
沢山のメッセージが寄せ書きしてあり、
「我是休火山富士山」
(わたしは富士山。休火山です)
「日本的同胞們的加油!」
(日本の仲間がんばって)
と様々なメッセージが書いてありました。

わたしはこのカードをありがたく思いながら読んでいたのですが、
果たして今の日本はこのカードをもらえるだけの事をしているのだろうか?と
複雑な気分になってしまいました。

3.11の災害に対する台湾からの義援金、
100億円を突破した時には各社一斉に報道をしていましたが
まだまだ増え続けているのはご存知でしょうか。
産経新聞を除く在京メディアではあまり報道されていませんが
台湾からの募金総額は204億円と
日本が唯一の同盟国と思っている米国の倍以上の金額と突出しています。

台湾人の平均所得は約13万円で、
所得格差が実に10倍以上もあるために一概にはいえませんが
一般的な生活者のレベルは日本よりも質素です。
そして、それほど余裕があるとはいえない台湾の地方都市でも
台湾の地方都市在住の友人によるとどの学校や会社でも
自発的に募金を募っていていまでもその動きは変わらないというのです。
なんて有り難い、頼もしい動きなのでしょう。

でも、わたしは、台湾がどうしてここまで
日本に対して親切にしてくれるのだろう?と
気になってきました。そしてこの鍵となるのではないか?と
思われるのがどうやら二・二八事件なのです。

事の経緯はこうです。
1947年2月27日、台北市で闇タバコを販売していた台湾人女性に対し、
取締の中国役人が暴行を加える事件が発生。
タバコ売りの女性に同情して、多くの台湾人が集まり抗議するやいなや
取締官が民衆に発砲、まったく無関係な台湾人を射殺し逃走。
これが発端となって、翌2月28日には台湾人による市庁舎への抗議デモが発生。
中国人憲兵隊がこれに無差別発砲、抗争はたちまち台湾全土に。
憲兵隊は市庁舎の屋上に機関銃を据えて、
非武装のデモ隊へ向けて無差別に掃射。

この後、台北以外の各地でも台湾人への無差別発砲や処刑を実施。
さらに裁判官・医師・役人をはじめ日本統治時代に高等教育を受けた
エリート層が次々と逮捕・投獄・拷問され、その多くは殺害されました。
李登輝元総統もこの時狙われていたそうで知人の蔵にかくまわれていたとか。
被害が特にひどかったとされる基隆では国民党が街頭に検問所を設け、
北京語を上手く話せない台湾人をを全て逮捕。
針金を台湾人の手に刺し込んで縛って束ね、「粽(チマキ)」とよび、
トラックに載せ、そのまま基隆港に投げ込む非道さ。
その結果、約28000人もの台湾人が殺害される大惨事だったのです。
(正式な人数は不明です。)

この事件の時に、「君が代」を国歌として
全ての台湾人が歌えたため、
台湾人は台湾人共通の合言葉として「君が代」を歌い、
歌えない者(中国人)を排除したのです。
二・二八事件の経緯は以上なのですが、
事件を知ったとき、そのあまりの重さに何も言えなくなってしまいました。

その流れがあり、今でも多くの台湾人が、
台湾にとって一番危険な国は中国だと思っています。
日本同様経済面で無視できなくなってしまった中国との関係ですが、
今まで通りの距離感で中国と付き合うには
絶妙な外交バランスが要求されます。

しかし、台湾が国交を結んでいる国が世界中で23カ国しかなく
バチカンの他は島嶼国とアフリカ、中米の小国です。
その国々は台湾の多額の援助によって外交がなりたっているので
有事の際に頼りになる関係ではありません。
そして台湾は未だに国連には中国政府の根強い反対で加盟出来ていません。

今回の、日本に対する信じられない額の義援金は
中国に飲み込まれずに独立を維持するためにも、
最も距離的に近い民主主義国日本に対し交流を深めたいという
台湾の切ないまでの想いの証だと
わたしは思うのです。

先日、日本政府は3.11の各国支援に対する感謝状を発表しました。
感謝状の内容は日本政府のWebsiteをはじめ
米英仏中露韓の主要紙と国際英字紙の
計7紙に新聞広告として掲載されましたが、
最も募金を集めた台湾に対しては
新聞広告が一切ありませんでした。
中国政府を意識しての事でしょうが、実に情けない有様です。
礼を重んじると言われてきた日本ですが、
この非礼振りはちょっと考えられません。
日本の政府及びあらゆる政党は、この台湾の義援金に対して
もっと真剣に考え、礼を尽くすべきではないかと心から思います。



参考
台湾からの支援(東日本大震災)
http://www.koryu.or.jp/ez3_contents.nsf/Top/6BE18444C925CE364925785C00299F24?OpenDocument

台湾から義援金100億円、どう受け止めるか
最も近い民主主義国、日本にラブコール
福島香織
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110404/219295/

ベストアンドワースト 2011/07/18
http://www.best-worst.net/news_yNkhQLirq.html

田村志津枝 『悲情城市の人びと――台湾と日本のうた』 晶文社

何義麟 『二・二八事件――「台湾人」形成のエスノポリティクス』東京大学出
版会



posted by nonukesmorehearts at 16:07| 主婦・双葉浪江の御意見箱